スーパーデジタルモデルの登場とファッション業界への影響

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近年世界では見た目や人格がすべて架空であるスーパーデジタルモデルというものが誕生しています。彼女たちはSNSのアカウントも持ち、すでに数万人ものフォロワーがいるスーパーデジタルモデルというものも存在します。本記事では、そんなスーパーデジタルモデルとは何者なのか、ファッション業界へどういった影響を及ぼすのかについて紹介します。

デジタルモデルとは?

デジタルモデルとは、一言でいうとCGで作り上げられた架空のモデルです。肌の質感や体のラインなども忠実に再現されており、初見ではCGで作られたとはわからないほどの高いクオリティーを誇っています。そのため、CGだとは知らずにSNSをフォローしていた、撮影のオファーをしてしまった、ということも日常茶飯事のようです。

そんなデジタルモデルを作るには、わずか30万円ほどの金額しかかかりません。そのため、近年様々な制作会社からデジタルモデルが登場しており、有名ブランドとのコラボレーションも続々と増えています。

代表的なスーパーデジタルモデル

デジタルモデルの中でも特に活躍が目立っているモデルは、スーパーデジタルモデルと呼ばれています。

特に有名なスーパーデジタルモデルには以下の3人を上げることができます。

シュードゥ・グラム

シュードゥ・グラムとは、黒人モデルの1人で、ミステリアスな雰囲気を漂わせるプロポーション抜群のモデルです。イギリスの写真家キャメロン=ジェイムズ・ウィルソン氏によって作成されたCGモデルで、インスタグラムに多数のムービーを投稿しています。そして、シンガーのリアーナが自身がプロヂュースした化粧品を付けたシュードゥ・グラムの動画をシェアしたことで、一段と知名度を上げました。今世界でも最も有名なデジタルモデルだということができます。

ミケーラ

ミケーラは、シュードゥ・グラムよりも早く登場したスーパーデジタルモデルです。ロサンゼルスの19歳の女の子で、スペイン人とブラジル人のハーフという設定になっています。そばかすや分厚い唇、くりっとした目がチャームポイントのどこかあどけなさが残るかわいい女の子です。

そんな彼女もインスタグラムでは80万以上のフォロワーを獲得しており、Spotifyではシングル曲を発表しています。

さらには、プラダとコラボレーションするなどモデルとしての本格的な活動もしています。

imma

海外だけではなく、日本国内でもデジタルモデルは誕生しています。immaはピンク色のボブに原宿系ファッションをまとった日本のティーンエージャーをイメージしたモデルです。

immaはデジタルモデルといっても、3DCGで作成しているのは頭の部分だけとされています。そして、実写で撮影した体と背景に合成することで、モデルとして完成しています。そのため、全身が3Dのモデルよりもリアルに作られており、バーチャルに見えない、という声が多く寄せられています。実際に、immaは雑誌での表紙も飾っており、着々と注目度を上げています。

ファッション業界の未来は?

多数のスーパーデジタルモデルの登場により、今後モデルの仕事が徐々に減っていくことが予想されています。

例えばこれまでは、ファッション雑誌やカタログのフォト撮影をする際、高額なギャラを払ってモデルやカメラマン、スタイリストを雇っていました。しかし、デジタルモデルを起用する場合、CGデザイナーを一人雇うだけでカタログが完成してしまうのです。手間やコストを削減することができるデジタルモデルは、今後間違いなく需要を増やしていくことでしょう。

また、デジタルモデルであれば、ファッションのイメージに合ったように自由に体型を変えることができるため、その面でも生身のモデルよりも都合がいいとえます。